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マイクロCTC検査とCTC検査の違いとは?各検査の特徴も紹介

CTC検査とは、血液中のがん細胞の有無を調べる検査です。

従来より欧米を中心に行われている検査であり、2023年4月時点で約2万9000件もの論文が出ています。

そして、そのCTC検査をさらに進化させた検査が、マイクロCTC検査です。

本記事では、従来のCTC検査とマイクロCTC検査それぞれの特徴や、2つの検査の違いについて解説します。

マイクロCTC検査を受けた後の流れについても説明しているため、ぜひ最後まで読んでがんの早期発見に役立ててください。

目次

マイクロCTC検査とCTC検査の主な違い

マイクロCTC検査とCTC検査は、どちらも特殊な装置を用いて血液中に流れ出た、がん細胞(血中循環がん細胞=CTC)が存在するかどうかを調べる検査です。

がん細胞の有無を調べる点は同じですが、内容や期間に違いがあります

マイクロCTC検査とCTC検査の主な違いについて、解説します。

発見できるがん細胞の違い

マイクロCTC検査やCTC検査で検出できるのは、上皮性がん細胞や間葉系がん細胞といったがん細胞です。

体内でのがん細胞の進化は、先に上皮性がん細胞ができ、それが上皮間葉転換を経て間葉系がん細胞になります。

マイクロCTC検査では間葉性がん細胞の有無を検出するのに対し、CTC検査では上皮性がん細胞の有無を検出します。

このように、マイクロCTC検査とCTC検査で検出対象となるがん細胞の種類が異なることが最大の違いです。

検査にかかる期間

CTC検査の場合、研究所が海外にあることが多いです。

CTC検査では研究所にて血液の分析をおこなうことで、がん細胞の有無を調べますが、研究所が海外に位置している場合は実際に分析をおこなうまで数日間待たなくてはなりません。

一方、マイクロCTC検査では研究所が国内にあるため、採血してから短い時間で分析にとりかかれます。

このように、マイクロCTC検査とCTC検査では検査をおこなう研究所へ血液を届けるための日数が大きくことなるため、結果として検査にかかる時間も大きく異なります。

マイクロCTC検査の特徴4つ

マイクロCTC検査は、従来のCTC検査を進化させた検査です。

マイクロCTC検査の特徴を、4つのポイントで紹介します。

1回5分の採血のみで検査ができる

マイクロCTC検査は、血液中流れ出た血中循環がん細胞(=CTC)が存在するかどうかを調べる検査です。

検査に必要なものは、わずかな量の血液のみで5分程度の採血で検査が完了します。

健康診断などの血液検査のように事前の食事制限や採血前に薬剤を飲むなどの必要がありません

事前準備の必要がなく日常的に忙しい方でも、わずかな時間での検査、受診が可能です。

悪性度の高いがん細胞を捕捉できる

がん細胞には上皮性がん細胞と間葉系がん細胞の2種類がありますが、このうち間葉系がん細胞は上皮性がん細胞と比べて悪性度が高いです。

上皮性がん細胞よりも間葉系がん細胞のほうが体内での動きが活発になり、浸潤や転移のしやすさが格段に上がります。

がん細胞は体内の一部分に留まる限り、そこを切除すれば健康な身体に戻すことができます。しかし、浸潤や転移によって多臓器に広がると、切除するのみではがんを治すことが難しくなるケースが多くなります。

マイクロCTC検査では、悪性度の高い間葉系がん細胞の検出が可能であり、がんリスクを高い精度で洗い出すことができます。

特異度94.45%と高水準

マイクロCTC検査は、特異度94.45%のCSV抗体を利用した検査方法です。

特異度とは陰性のものを正しく陰性と判断する割合のことで、特異度が高い検査ほど正確性が担保されていることになります。

CSV(細胞表面ビメンチン)抗体とは、血中循環がん細胞(=CTC)の検出に高い精度誇る抗体で、CSV抗体を利用したマイクロCTC検査は、世界独占利用権を獲得した検査手法です。

従来のCTC検査であるセルサーチでは特異度が83.35%であることから、マイクロCTC検査は従来のCTC検査と比べて高い正確性を持つ検査といえます。

国内でスピーディに―検査可能

マイクロCTC検査の研究所は国内にあり、採取した血液は研究所にて分析にかけられます。

高い精度で検査をおこなうためには採血後なるべく短い時間での分析着手が必要です。

マイクロCTC検査では研究所が国内にあるため、スピーディな検査が可能です。

CTC検査の特徴

従来のCTC検査方法にはいくつか種類がありますが、その中でセルサーチは、欧米で主流となったがん検査方法です。

その特徴を3点、解説します。

アメリカのFDAが臨床検査を承認済

セルサーチのCTC検査は、アメリカのFDA(食品医薬局)にて有用性が承認された検査方法です。

FDA(食品医薬局)は、日本でいえば厚生労働省にあたる機関であり、国家のお墨付きを得た検証方法として欧米の多くの研究機関に導入されています。

悪性度が低めのがん細胞しか捕捉できない

従来のCTC検査で検出できるのは、2種類あるがん細胞のうち悪性度が低い上皮性がん細胞のみです。

上皮性がん細胞は自己の免疫で消すことができる程度の弱いがん細胞であり、体内で検出されることはさほど珍しいことではありません。

しかし間葉系がん細胞は悪性度が高く、自己の免疫では太刀打ちできないがん細胞です。

元気であれば体内で生まれた上皮性がん細胞は自己免疫により消されますが、疲れやストレスなどで免疫力が下がると上皮性がん細胞が体内に残り、増殖しはじめます。

増殖を繰り返すなかでやがて、上皮間葉転換が起きて上皮性がん細胞は間葉系がん細胞に変わり、浸潤や転移によって体内のあちこちに拡散されていきます。

したがって、間葉系がん細胞が血液中から検出された場合には、治療を要するがんが体内のどこかに存在していることが多いです。

しかし、上皮性がん細胞が血液中から検出された場合ではそれが治療を要するがんに発展していくかは定かではないため、検出されたとしてもその後の対応に関する判断が難しくなります。

このように、従来のCTC検査では悪性度の低い上皮性がん細胞のみを検出するものであるため、かならずしも治療を要するがんが発見できるとは限らないリスクがあります。

海外での検査が主流 

従来のCTC検査では、分析をおこなう研究所が日本国内になく海外の研究所にて分析をおこなうことが多いです。

そのため、国内のクリニックで採取した血液を海外の検査機関へ輸送する必要があります。

輸送には時間がかかりますし、また採取した血液は時間がたつにつれて品質低下により分析精度が下がるため、正しい分析結果が出づらくなります。

このように、従来のCTC検査では血液の海外輸送の関係で検査に時間がかかること、また国内で分析できるマイクロCTC検査と比べると分析精度が下がる点がひとつの特徴です。

がんリスクを正確にすばやく判断できるのはマイクロCTC検査

ここまでマイクロCTC検査と従来のCTC検査の特徴についてそれぞれ解説しました。

マイクロCTC検査では悪性度の高い間葉系がん細胞を検出できること、また検査の正確性を表す特異度が94.45%と高い精度を誇るCSV抗体を利用した手法での検査であることから、検査結果はとても信憑性の高いものといえます。

マイクロCTC検査にて陽性反応が出た場合、浸潤や転移をすでに起こしているかまたは起しかけている間葉系がん細胞が体内のどこかに存在する可能性が非常に高いことを表します。

事前準備の必要なく、わずか5分の採血のみで体内のがんリスクを正確かつすばやく判断できるマイクロCTC検査は、2人に1人ががんを経験する現代では必須の検査であるといえるでしょう。

マイクロCTC検査を受診した結果が陽性となった場合、体内のどこかにがん細胞が存在する可能性がきわめて高いことになりますが、体内のどこにあるかまではこの時点では分かりません。

そのため、マイクロCTC検査で陽性が出た場合は体内のどこにがん細胞があるかを特定するためにCTやMRIなどの画像診断により全身の検査をおこないます。

画像診断により体内でがん細胞がある場所が確認されれば、それに対し治療方針を検討していくことになります。

なお画像診断では検出できるがん細胞の大きさが1cmからであり、それより小さいがん細胞の場合は検査では検出できません。

マイクロCTC検査で陽性が出たにもかかわらず画像診断でがん細胞が確認できなかった場合、体内のがん細胞がまだ検出可能な大きさまで至っていない可能性が高いです。

画像診断で見つからなかった場合は、今後のがんリスクに備えて毎年のがん検診や人間ドックを欠かさず受診するようにしたり、食事療法や免疫療法などの代替療法でがんが進行するリスクを抑えたりするなどの対処を検討していくことになります。

いずれにしても、マイクロCTC検査の定期的な受診により、見つかったときにはもう手遅れといった事態を防げる可能性が期待できます

まとめ

マイクロCTC検査と従来のCTC検査は、どちらも血液中にがん細胞が存在するかどうかを確認する検査です。

従来のCTC検査では悪性度が低い上皮性がん細胞のみを検出するため、治療が必要ながん細胞が体内にあるかどうかの判断が難しいことがありました。

その点、マイクロCTC検査では悪性度が高い間葉系がん細胞の検出が可能であり、がんリスクを高い精度で把握できます。

従来のCTC検査では分析を海外でおこなうことが多いため、検査日数がそれなりにかかりましたが、マイクロCTC検査では国内に分析を行える研究所があるため、スピーディに結果を知ることができる点もメリットです。

マイクロCTC検査の結果が陽性となった場合、体内に浸潤や転移の可能性が高いがん細胞が存在する可能性が高いため、画像診断によりがん細胞の場所を特定するステップに進みます。

画像診断でがん細胞が確認できない場合でも、がんリスクが高いことが把握でき代替療法を取り入れることもできるため、いつまでも健康で過ごすためにマイクロCTC検査の受診がおすすめです。

※本記事の情報は2023年10月時点のものです。
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