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CT検査とは?発見できるがん・メリット・デメリット・よくある質問を解説

がんの発見には、さまざまな検査方法があります。CT検査もその一つです。

CT検査は、がん検診や健康診断、人間ドックなどの検査項目に記載されており、目にすることも多いでしょう。

本記事では、

  • CT検査の概要・特徴
  • CT検査で見つかるがんの種類
  • CT検査の費用・所要時間
  • CT検査とMRI検査の違い
  • CT検査のメリット・デメリット
  • CT検査の流れ

のほか、CT検査に関するよくある質問について、詳しく解説します。

はじめて検査を受ける方、CT検査を受けたいが不安のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

がん検診のひとつであるCT検査とは?

CT検査とは、がんの有無を調べる精密検査の一つで、正式名称は「Computed Tomography(コンピューター断層撮影)」といいます。

X線を360度方向から円周状に照射し、人体の輪切り画像を三次元(3D)に構築します。

細やかな情報を得ることが可能で、レントゲン検査や内視鏡検査では見つけることが困難な、体の深部に発生した小さながんの位置・大きさの発見に有効です。

また、骨、血管、神経などの内部構造も明確に抽出されるため、がんの広がり・転移の診断にも役立ちます。

自治体がおこなっている肺がん検診の検査項目には、CT検査が含まれており、少ない自己負担額で受診が可能です

CT検査の特徴

ここで、CT検査の特徴を紹介します。

  • 精細な画像で体の深部まで観察できる
  • 死角が少ないため、小さな病変も見つけやすい
  • 短時間で数百枚の画像が撮影できる
  • ベッドに寝ている状態で全身の撮影が可能
  • 音が静かで、リラックスして検査を受けられる
  • 強い光や機器による圧力などの負担がない
  • 体に金属が入っている方も検査が可能
  • ペースメーカー使用者も検査が可能
  • 多くの医療機関で対応している

CT検査では、精細な3次元(3D)画像を得られます。多面的に撮影をおこなうため、死角が少なく、体の深部、骨、血管、神経まで観察できます。

5~15分程度の検査時間で、数百枚以上の体の断面画像を撮影し、診断につなげています。

検査は、ベッドに横になった状態でおこないます。ベッドをカメラ(CTスキャン)が通過するのみで、騒音や強い光などは発生しません。

緊張せず、リラックスして検査を受けられるでしょう。

体に金属が入っている方や、ペースメーカー、または植込み型除細動器を使用している方も検査を受けることが可能です。

ただし、撮影部位・機種により、ペースメーカーや植込み型除細動器が誤作動を起こす可能性があります。事前に医療機関へお申し出ください。

CT検査の装置は、多くの医療機関で導入しているため、遠方の大きな病院や検査機関を受診する必要はありません

身近な環境で受けることが可能なため、受診のハードルは低いといえます。

CT検査で見つかるがんの種類

CT検査は、小さながんを早期に発見できる検査です。とくに、下記のがんの発見に有効です。

  • 肺がん
  • 食道がん
  • 肝臓がん
  • 腎臓がん
  • 膵臓がん
  • 大腸がん

国立がん研究センターの「最新がん統計(2021年)」において、部位別がん死亡数の1位である肺がん、2位の大腸がん、4位の膵臓がん、5位の肝臓がんの発見につながります。※1

そのほか、肺結核、気管支拡張症、胸部大動脈瘤、心疾患などの疾患も、早い段階で見つけられる強みを持っています。

CT検査の費用

CT検査の費用は、保険適用で自己負担3割の場合、6,000~12,000円程度です。※2

人間ドックや健康診断のオプション検査など、任意でCT検査を受ける場合は全額自己負担となるため、20,000~40,000円程度でしょう。※3

受診する医療機関はもちろん、撮影する部位や造影剤の使用・未使用により、料金は異なります。

そのほか、国が推奨する肺がん検診には、CT検査が含まれています。費用の多くを自治体が負担するため、数千円程度で胸部CT検査の受診が可能です。

CT検査の所要時間

CT検査の所要時間は、5~15分程度です。

医療機関の混雑状況にもよりますが、受付から着替え、血管確保(ルート確保)、撮影、身支度、会計まで1時間もかからないでしょう。

短時間で終わるため、CT検査のために仕事を休む必要はありません

CT検査とMRI検査の違い

下記は、CT検査とMRI検査の比較表です。

CT検査MRI検査
検査方法X線(放射線)を利用した検査磁力と電波を利用した検査
検査内容X線を照射し、体の輪切りの断面画像を構築する磁力と電波を用いて体の細胞に含まれる水素原子を画像化する
検査時間5~15分15~45分
検査費用6,000~12,000円(3割負担)20,000~40,000円(全額自己負担)8,000~17,000円(3割負担)27,000~57,000円(全額自己負担)
特徴細かい描写が非常に得意空気と骨の区別ができる色の濃淡が鮮明血管の精査に優れている
検査料金について|AIC画像検査センター

CT検査は、X線を利用して、体の輪切り画像を構築し、精細な画像を抽出する検査です。所要時間が短く、気軽に検査が受けられるでしょう。

一方、MRI検査では、磁力と電波を体にあてて、画像をさまざまな方向から撮影します。正常な組織との信号の差(色の濃淡)を画像上で区別しやすい検査です。

CT検査、MRI検査ともに、がんの発見・診断に役立つ優れた検査です。

検査する部位、現在の症状・病状・体の状態、過去の既往歴などを考慮し、医師と相談したうえで、最適な検査方法を選択します。

CT検査のメリット・デメリット

ここで、CT検査のメリット・デメリットを紹介します。

メリット・デメリットを把握したうえで、検査を受けましょう。

メリット1:検査時間が短い

CT検査は、5~15分程度の短い時間で検査が終了します。

短時間で数百枚もの画像を撮影し、体の深部、骨、血管、神経などの小さな病変までチェックします。

検査自体は5分程度、必要に応じて造影剤を使用する場合でも15分程度でしょう。

仕事・家事などに忙しい方でも、スケジュールの調整がしやすい点は大きなメリットです。

 メリット2:MRIより音が静か

CT検査は、MRI検査に比べて検査時に発生する音が静かです。

MRI検査は、磁力を変化させるため非常に大きな音が鳴り続けます。CT検査の場合、カメラが検査台を移動して撮影するのみで、気になるほどの音は鳴りません。

リラックスして検査を受けられることも、CT検査の特徴の一つです。

メリット3:ペースメーカーを装着している方も検査可能

CT検査は、ペースメーカーを使用している方の検査も可能です。

ただし、胸部CT検査の場合は、ペースメーカーが誤作動を起こす可能性があるため、注意が必要です。

また、CT装置やペースメーカーの機種により誤作動の生じる恐れもあります。ペースメーカーを装着している方は、必ず医師にご相談ください。

デメリット:被ばくリスクがある

CT検査では、放射線を用いて体の断面を画像化するため、被ばくのリスクがあります。

CT検査の放射線量は5~30mSv程度です。人体に影響を及ぼすといわれている放射線量(100mSv以上)に比べれば、過度に心配する必要はありません。※4

被ばくによりダメージを受けた細胞は修復されます。

近年では、可能な限り放射能被ばくを抑える、低被ばくCT装置を導入している医療機関も多くあります。

そのほか、呼吸器やアレルギー性の疾患がある方や、糖尿病の治療薬を服用している方は、造影剤による副作用が生じるケースがあります。

CT検査の流れ

CT検査のおもな流れは、下記のとおりです。

  • 受付で問診表を記入する
  • 血管を確保する
  • CT撮影をおこなう

はじめてCT検査を受ける方や、久しくCT検査を受けていない方は、ぜひ参考にしてみてください。

受付で問診表を記入する

受付で問診表を記入し、提出します

問診表には、氏名・生年月日・年齢・性別のほか、過去のCT・血管造影などの検査経験や副作用の有無などをご記入ください。

また、造影剤により副作用のリスクが高まる疾患や、症状が悪化する恐れがある疾患の有無についても回答する必要があります。

血管を確保する

検査着に着替えたあと、造影剤を注入するための血管確保(ルート確保)をおこないます。

一般的に、右の肘部皮の静脈に注射します。必要に応じて、生理食塩水の点滴がおこなわれる場合があります。

血管確保後、CT検査室へ移動します

CT撮影をおこなう

CT撮影室へ入室後、診察台(ベッド)に寝ている状態で撮影をおこないます

撮影は、5~10分程度で終了です。検査時の痛み・違和感は一切ありません。

造影剤を使用した場合は、検査後3分程度、止血をおこないます。

CT検査に関するよくある質問

最後に、CT検査に関するよくある3つの質問を紹介します。

  • CT検査前日から当日は食事を取れますか?
  • CT検査の結果が出るまでどのくらいですか?
  • 服薬中でもCT検査はできますか?

検査を受けるにあたって、正しいルールを把握しましょう。

CT検査前日から当日は食事を取れますか?

前日の食事制限はありませんが、当日は検査前の3~5時間は食事を控えてください。

検査時間が午前の方は朝食を控え、検査時間が午後の方は朝食以降の食事を控える必要があります。

医療機関により絶食の時間が異なるため、事前に確認しましょう。

水かお茶であれば、検査時間の1時間前まで飲むことが可能です。

CT検査の結果が出るまでどのくらいですか?

CT検査の診断結果は、1~2週間後に出ます。

CT検査は、画像診断専門医による解析が必要です。また、1回の検査で数百枚もの画像データを扱うことから、解析・診断に時間を要します。

診断結果は、医師による結果説明が一般的ですが、一部郵送で届けられるケースもあります。

服薬中でもCT検査はできますか?

基本的に、普段飲まれている薬は服用可能です。

しかし、造影剤を使用する場合、内服薬の種類(糖尿病の治療薬や利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬鎮痛剤など)により、休薬が必要です。

現在、服薬中の方は事前に医療機関へお申し出ください

また、来院時にはお薬手帳を持参するとよいでしょう。

まとめ

本記事では、CT検査の概要・特徴、検査の詳細(費用・所要時間・検査の流れ)について解説しました。

CT検査は、がんの早期発見はもちろん、再発・転移の有無、治療の評価など、さまざまな目的でおこなわれます。

被ばくのリスクのほか、まれに造影剤による副作用が生じる場合がありますが、全身の細かい部分まで観察する能力に優れたCT検査は、がんの発見に不可欠です。

日本人の死因の1位は「がん」であり、毎年30万以上の国民が亡くなっています

がん種別の死亡数順位は、1位:肺がん、2位:大腸がん、3位:胃がん、4位:膵臓がん、5位:肝臓がんです。※5

CT検査は、これらのがんの発見に大変有効な検査であり、最適な治療につなげる役割を担っています。

「健康には自信がある」「若いから大丈夫」と考えている方も、症状がないうちからCT検査やがん検診の受診をご検討ください。

<参考サイト>
※1、※5:がん情報サービス「がん統計
※2、※3:AIC画像検査センター「検査料金について
※4:国立がん研究センター「PET検査とは

※本記事は可能な限り正確な情報を記載しておりますが、内容の正確性や安全性を保証するものではありません。
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